デジタルセールス
・マーケター転職ノウハウ

営業職の職種選びのポイント
〜インサイドセールス・カスタマーサクセス編〜

インサイドセールス職のイメージ

SaaS市場の規模拡大やIPO(新規上場株式)が話題になる昨今、SaaS企業だけでなく、組織体制やそこで働く人たちも注目されています。

多くのSaaS企業ではThe Model型と呼ばれる営業組織の分業化・専門職化が進んでおり、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなどと組織が分けられることが多いです。特に新しい職種として人気を集めているのがインサイドセールスとカスタマーサクセスの2つの職種です。従来の営業職から営業職という転職だけでなく新たな選択肢となっているのです。

ここでは、インサイドセールスとカスタマーサクセスそれぞれの仕事の内容や、営業職からそれらへ転職するために、どのように企業を選んでいけばよいかについて解説します。

1. SaaS企業の特徴

SaaSは「Software as a Service」の頭文字をとったもので、直訳すれば「サービスとしてのソフトウェア」となり、クラウドで提供されるソフトウェアのことを指します。

SaaSの強みは、簡易にソフトウェアにアクセスできることや、複数人でデータを共有し同時に編集・管理できる、導入コストもランニングコストも安価で常に最新のソフトが使えるといったものが挙げられます。

またSaaSにおいては「顧客のビジネス成功を支援する(=カスタマーサクセス)」という考え方がトレンドとなっています。SaaSでは買ってもらってから継続してもらえるかどうかが売り上げに直結するため、購買後のビジネス活動が重要視されるようになったためです。

2. インサイドセールスの役割

インサイドセールスとは内勤営業と訳されることが多い職種です。外回りの営業職が「フィールドセールス」または「アウトサイドセールス」と呼ばれているのに対して、こう呼ばれています。従来の対面型の営業ではなく、電話やメール、Web会議システムなどを使い顧客と直接対面する以外の方法で営業活動を行うのが特徴です。近年アメリカで広まり、それが日本でも取り入れられました。アメリカではインサイドセールスが契約手続きまで行うことが多いですが、日本では訪問営業の担当に契約の取れやすいアポイントを渡すといったパス出しを行う役割を担うことが多いです。

2-1. 日本のインサイドセールスの現状

インサイドセールスは、電話やメール、Web会議システムなどを活用して社内で営業活動を行います。営業の仕事には、見込み客の発掘から提案、成約、成約後のフォローアップとさまざまなものがあります。インサイドセールスの活用が盛んなアメリカでは、営業活動全般をインサイドセールスが行うことも多いようです。その際には主にWeb会議システムを使って商談を行うのが一般的です。

一方で日本では、主に電話やメールを使って見込み客にアプローチをし、実際に顧客と対面する訪問営業に引き継ぐのが大半です。インサイドセールスのみで営業活動が完結するのは少ないため、訪問営業を行う人のサポート的な役割と捉えている企業もいます。

しかし、インサイドセールスはあくまで営業職です。フィールドセールスと連携を取り合って売上を最大化するためにとても大きな役割を担っています

3. カスタマーサクセスの役割

カスタマーサクセスとは、その名の通り顧客の成功体験へ向けてサポートを行う仕事のことです。サブスクリプション型の自社のサービスを顧客に継続して使い続けてもらうために、顧客が不満を抱える前に先んじて解決するのが主な仕事となります。

3-1. カスタマーサクセスの特徴

特徴としては課題や問題が発生してから対応するのではなく、課題が生まれる前にアプローチを行うことが求められます。たとえば商品を購入したものの使い方が分からない、一部の機能しか使えていないとなれば、顧客は不満を抱えています。そうならないように先手を打って行動していくことがカスタマーサクセスには求められます。

顧客が商品やサービスを使うにあたって何も不満がなければ、解約にはつながりません。カスタマーサクセスは、商品やサービスを利用することで顧客が常に満足した状態にいられるようにするのが役割です。

既存顧客に対して「攻めの姿勢」でアプローチをかける、新しいタイプの営業職がカスタマーサクセスです。

4. インサイドセールスとカスタマーサクセスの魅力

インサイドセールスとカスタマーサクセスのどちらも特定の営業業務に特化した専門職です。これらの職種は市場でのニーズが急拡大している状況にあります。その理由は多くのSaaS企業が頭角を現してきたこと。サブスクリプション型のビジネスや、SaaS型のビジネスは今後も市場が拡大していくことはほぼ間違いがなく、営業職のネクストキャリアとして選択肢の1つには入れておきたいところです。

しかし、インサイドセールスとカスタマーサクセスの2つの職種はどちらも専門職で、単に従来の営業職が担ってきた仕事の一部分を行うわけではありません。また、現時点ではソフトウェアやサービス、人材、コンサルといった無形商材を扱う企業行われているものですので有形商材を取り扱う営業職は、SaaSビジネスを行う企業への転職が難しいことを表しています。

そのため、営業職経験があることと、インサイドセールスやカスタマーサクセスとして即戦力になれるかは実は別問題なのです。また、市場は現在進行形で拡大中のため、2つの専門職について学べる機会や経験できる企業は多くありません。そのため人気も倍率も高くなる傾向にあることは頭に入れておいた方がよいでしょう。

5. インサイドセールスやカスタマーサクセスに転職する方法

2つの職種に営業経験者が転職するための選択肢としては、下記のとおり、主に4つあります。


(1)SaaSビジネスを行うスタートアップ企業へ入社する
(2)すでに成熟しているSaaSビジネス企業やその子会社へ入社する
(3)外資系企業に入社する
(4)セールス・マーケティングに関連するサービスを提供する事業者へ入社する

転職ロードマップのイメージ

それぞれメリットとデメリットを解説します。

5-1. (1)SaaSビジネスを行うスタートアップ企業へ入社する

■メリット
・経営陣の近くで働き知見や経験が得られる
・自分の裁量で業務をデザイン、コントロールして仕事を進められる

■デメリット
・小規模であるがゆえに経営者や働く仲間との相性に大きく左右される
・業務上のバックアップが期待できない、業務過多に陥りやすい。

5-2. (2)すでに成熟しているSaaSビジネス企業やその子会社へ入社する

■メリット
・インサイドセールス、カスタマーサクセス系は年間数十名の採用を行うケースも珍しくない
・各職種の業務やオペレーションが安定している
・着実な業務経験や育成と研修環境が得られる
・同職種の働く仲間が多いため、ノウハウを得る機会も豊富にある

■デメリット
・オペレーションの型が決まっているため、急速なキャリアアップが狙いづらい
・人気が集中しているので内定までのハードルが高い

5-3. (3)外資系企業に入社する

■メリット
・日本企業よりも待遇が良い
・業務定義も明確に定められているので、専門的な経験を伸ばしていく上では最適な選択

■デメリット
・自分に合わないと感じたときに異動やポジションチェンジが難しい

5-4. (4)セールス・マーケティングに関連するサービスを提供する事業者へ入社する

■メリット
・最先端の専門知見が得られる
・顧客へサービスを提供する立場となる為、得られる経験も重要となる

■デメリット
・自分がどの分野に専門特化していくかを自身で慎重に検討する必要がある
・顧客へサービス提供する立場上、責任を負うシーンが増える
・成長を感じやすい反面、業務負荷が大きい場合が多い

6. 職種自体に悩む方におすすめな選択肢

4つの選択肢のうち3つ目までは、すでに社内でインサイドセールスやカスタマーサクセスという職種が存在している企業へ転職をするというもの。応募企業を選ぶ際はそれぞれの違いを念頭に活動を進めていってみてください。

もし、あなたがインサイドセールス、カスタマーサクセス未経験者で、興味はある職種だけれども、悩んでいるといった状況であれば、4つ目の選択肢がおすすめです。

セールス・マーケティングに関連するサービスを提供する事業者へ入社する」とは、デジタルマーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスなど、業務設計をコンサルティングする、業務を支援する、ノウハウを提供する、などのサービスを提供している会社へ転職するという意味です。

職種としては営業、コンサルタント的な領域を担当することとなり、今までの営業経験の延長になるでしょう。また、サービスとしてインサイドセールスやカスタマーサクセスのノウハウを提供する会社であるので、2つの職種について知見を深めるためにこれほど適した職場はないでしょう。最先端のノウハウや知識は、将来的に自分がインサイドセールス、カスタマーサクセスを目指す上での大きな資産となるはずです。

4つの選択肢はどれも簡単なものではありません。しかし、自分の市場価値を高めるため、キャリアアップするためには転職先として検討する価値は十分にあるのではないでしょうか。

キャリアアドバイザー/河村 芳行

この記事を執筆したキャリアアドバイザー

河村 芳行

株式会社エムエム総研 / マーキャリNEXT CAREER キャリアアドバイザー

2008年に法人マーケティングのパイオニア企業である株式会社エムエム総研に入社。インサイドセールスからデジタル領域まで多岐にわたり、マーケティング活動全般のプランニングを担当。外資系、国内大手IT企業に対して多くのプランニング実績を積む一方、ITproマーケティングなどセミナーにて登壇者としても講演。さらに2017年にはビジネス書籍『少人数チームからはじめる失敗しないBtoBマーケティングの組織としくみ』を同社経営陣と共に出版。BtoBの組織作りと仕組みを解説した同書は多くのマーケターに支持されている。

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