SaaS企業の面接対策をしよう

SaaS企業の面接対策をしよう

目次

SaaS企業の面接では、SaaS特有の重要なポイントを押さえていないと選考を進めることが難しいのが実状です。

そこで、今回はSaaS企業の面接対策で悩んでいる方に、SaaS/IT系ベンチャーに特化した転職エージェント「マーキャリNEXT CAREER」にて、実際にアドバイスしている面接対策を徹底的に解説します。

1. 実は盲点、面接を左右する「スタンス」

まず、面接自体の捉え方ですが、面接に対して次のようなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?


・質疑応答をしてお互いの理解を深めていく場
・経験だけでなく人柄を見てもらう
・最初に簡単に自己紹介をして、その後はキャリアを掘り下げてもらいながら、アピールポイントをさりげなく伝えつつ、最後に気になる点を質問する


このように面接が進んでいくことも当然ありますが、実は、面接をこのように捉えてしまうと、他の候補者との差別化もできず印象に残らない面接になってしまいます。

では実際、どのようなスタンスで面接に挑むべきか、以下のポイントを押さえましょう。


■採用選考の基本的なスタンス


(1)人と人との「コミュニケーションの場」と捉える
絶対にやってほしいことは「アイスブレイク」です。まずは自分から雰囲気を作りに行きましょう。アイスブレイクの例:オフィスの場所、出身、面接官のこと、趣味、特技など

(2)面接のゴールは「選ばれること」
選ばれるための効果的にアピールができるように面接を組み立てなければなりません。 特に大事なのは、これまでの営業スタイルと面談時の受け答えにギャップを生み出さないことです。
(例:泥臭い営業をしていたというアピールなら、面接でもアグレッシブな人という印象を残す)

(3)「質問はありますか?」と聞かれずとも質問はしてよい
受け身にならず、対話を意識しましょう。

(4)自分がアピールしたい方向へ誘導しよう
意図をもって会話を進めることで、アピールしたい話を深堀りしてもらい、自分をより知ってもらうことで他の候補者との差別化になります。

(5)カルチャーを理解しようとする姿勢
SaaS企業は特にカルチャーフィットが重視されますので、カルチャーを理解しようとする姿勢が重要です。また無理矢理カルチャーに合わせようとしても、お互いのためにならないため、自然体を意識しましょう。

2. SaaS企業の面接官が評価する人物像

面接官が候補者の何を重視しているのか。案外、その視点を持って臨んでいる求職者の方は少ないです。こちらもしっかり押さえましょう。 SaaS企業で、どのような人物が評価されるのかをお伝えする前に、まずご理解いただきたいのはSaaSビジネスの特徴です。

SaaS企業はT2D3(5年で72倍の売上を達成させる成長モデル)の事業拡大を指針に事業計画を策定することもあるように、事業を急成長させ、組織も拡大するスケール型のビジネスです。そのため、これから組織を作り上げていく姿勢が重要となります。下図で表しているように、自分の業務だけでなく、組織を作っていくためにできることを能動的、主体的に行う姿勢が評価されるのです




ここでは、あなたが会社に貢献することで事業を成長させるとともに、自身も成長できるWin-Winの関係も求められます。なぜなら、単に会社に貢献したいとアピールすることは誰にでもできますが、事業の成長が自分の成長にもつながると理解し、自分事として捉えることで、主体的に行動できるためです。言い換えれば、あなたがWinであるからこそ、主体的な行動ができ、会社に貢献できる人だと期待してもらえるのです

3. SaaS企業が合否を決めるポイント

面接官が合否を決める時に、主にチェックしているポイントは下記の3つです。


(1) ファーストインプレッション
(2) 成長意欲があるか
(3) 3つのテーマを差分で語れるか

それぞれ、詳しく解説していきます。

(1) ファーストインプレッション

面接での印象そのものは、初対面の10分で決定づけられます。オンラインの場合は、特に次のことに配慮してください。


表情/笑顔 > 光(暗いとNG) > 角度(なるべく真横で正面を向く)


(2) 成長意欲があるか

どんな会社であれ、欲しい人材は利益を上げる人、成果を出す人です。キャリアチェンジの場合はポテンシャル評価となるので、成長したいという意欲をしっかり出す方は評価されます。

(3) 3つのテーマを「As is/To be」で語れるか

転職活動では「志望動機、転職軸」、「業務経験、能力」、「キャリアビジョン、成長軸」の3点がテーマとなります。それぞれのテーマに対し、明確なゴールと現状を端的かつ論理的に語る力、そしてその差分を自己分析して客観的に語る力が必要となります。

3つのテーマの差分に関して、さらに詳しく解説します。

4. 「As is/To be」で語るSaaS企業の面接の3つのポイント

面接では、現在のあなたと面接先の企業で働く未来のあなたを差分で語る必要があります。

ここで、便利なのが、「As is/To be」というフレームワークです。理想のあるべき姿と、現状を分析して、理想に到達するための差分・ギャップとアクションを見える化できます。ちなみに、「As is」とは、現状を意味する言葉で、「To be」とは、理想のあるべき姿という意味です。

ここから、具体的に3つのテーマを「As is/To be」でどう語るのか、それぞれを解説します。


「As is/To be」で語る(1)キャリア
「As is/To be」で語る(2)業務経験、能力
「As is/To be」で語る(3)志望動機

「As is/To be」で語る(1)キャリア

ここでは、自分がなりたい未来のキャリアやスタンスを明確に伝えます。それに対して、現在のあなたと理想の間にどれだけのギャップがあるのか、またどのようにしたらギャップを埋めていけるかを伝えます。




Point!
(1)未来のキャリアを明確に持っている
(2)「Why」を言語化できる 
(3)ギャップを客観的に語り、どのようにしたらギャップを埋められかを整理できている  


■想定質問
例1)5年後のキャリアは?どうなりたいですか?
例2)SaaSを通じてどんなキャリアをイメージしていますか?

<例1の回答例>
営業として影響力を持つ人になりたいです。なぜなら、私は前職で多くの苦労をしましたが、同じ業界の著名な方に助けていただいたので、恩返しをしたいです。まずは営業で成果を出すことはもちろん、再現性が認められるように成果を継続して出して、セミナーやSNSで語れる実績を作っていこうと思っています。現在そのためにもSNS・noteで営業コンテンツを発信しております。

「As is/To be」で語る(2)業務経験、能力

求められている業務や要件を理解して、今までの経験をどう活かせるのか、足りていないスキルや経験のギャップをどうキャッチアップしていくかを語ります。




Point!
(1)求められている業務や要件を理解して自分の言葉で語れる(職種・業務理解)
(2)これまでの経験を業務内容にどう活かせるのかを具体的にアピールできる
(3)ギャップに対して、キャッチアップすべきことが語れる(具体的にどのような時間軸、手段でキャッチアップ・成長すべきかまで)


■想定質問
例1)これまでの経験を教えてください。またどう活かせそうですか?
例2)成功体験や失敗体験について教えてください

<例1の回答例>
インサイドセールスとして数字だけでなくタイムマネジメントが求められていると思いますが、前職では、30分ごとのスケジュール管理を行いながら既存顧客への営業活動を行っていましたので、その経験が活かせます。また新規営業の経験が少ないため、営業手法のインプットを行いつつ、御社サービスのアプローチ方法を考えています。入社後はその仮説を実行し、成果を最短で出せるようになりたいです。

「As is/To be」で語る(3)志望動機

志望動機では、受ける企業の市場環境や事業・製品を理解し、今までのキャリアを踏まえた上で「その企業を志望する必然性」を伝えます。自分の業務経験や業界経験をベースに、なぜその事業や業界に携わりたいかを言語化していきましょう。 もちろん、同じ業界経験がなければギャップが多いため、キャッチアップも必要ですが、なぜその業界を選んだのか、強い動機を準備することが重要です。




Point!
受ける企業の市場環境や事業、製品を理解し端的に語れる
「Why」を言語化できる
ギャップをベースに、なぜその事業や業界に携わりたいかが言語化できる


■想定質問
例1)弊社を選んでいただいた理由を教えてください
例2)弊社を通じてどんなことを実現したいですか?

<例1の回答例>
前職においてもイベント業界に関わっていましたが、これからはイベント業界においてもデジタル活用が必要だと感じていますし、デジタルで市場規模が拡大することは欧米の例からもあきらかです。その中で御社の取り組みにこれまでのイベント運営・ディレクションの経験を活かして、事業に貢献できると考えています。

5. 他の候補者より優位に立つには?

他の候補者とのについては、次のポイントを押さえましょう。 例として、MAツールを提供するマーケティング支援会社の面接におけるアピールポイントを挙げています。


Point!これで、優位性を言語化。

(1)自分を客観的に語れるようにしておく
Aさんのケース:IT業界でマーケティングから営業に異動して活躍していた30歳


●現状の自分自身の立ち位置や市場価値(キャリア)
例:マーケティングから営業に異動した異色のキャリアを持つ。

●これまでの経験や能力。(業務経験、能力)
例:営業スキルだけでなく、マーケティング視点を持ちデータ分析・MAツールも活用できる。

●発揮できる知見や経験を客観的に語れる(志望動機)
例:御社のMAツールも活用していて好印象だった。営業経験だけでなく、活用していた経験も活かせる。


Point!これで、優位性を言語化。

(2)他者との優位性を語れるようにしておく
Bさんのケース:26歳でIT系の無形商材の法人営業経験が3年あり、学生時代は飛び込み営業の経験もある

●能力、適性、年齢等(キャリア)
例:学生時代の泥臭い営業、IT系でのソリューション営業経験を持ち即戦力かつ若手。

●求められている要件や業務において発揮できること(業務経験、能力)
例:アウトバウンドコールも行い成果管理をしてきたため、インサイドセールスのKPI理解があり、達成に向けて貢献できる。

●業界や事業で身につけてきたこと(志望動機)
例:ITの中でも、広告系の営業だったため、マーケティング支援会社とは親和性がある。MAツールだけでなくマーケティングのソリューションも提案でき、経験を最大限活かせるのが御社だと考えた。

6. 経験や実績は定量で語る

さらに、ここで知っておいてほしいのは、定量で語るということです。

数字は、これまでの業務実績や成果の解像度を高め、見極めてもらう上での重要な要素です。数字で簡潔に語れるようになると、自身の活動成果だけでなくSaaS企業がリモート環境下で求める「活動計画性」「自己管理能力」をアピールできることにもつながります。





7. 必ず発生する逆質問に備えよう

(1) 即戦力に関連した質問

自身が即戦力化できるかどうかを見極めるための質問は非常に効果的です。


■質問例
例1)〇〇の業務において私の経験が活かせると思いましたが、御社ではどのように進めていますか?
例2)業務において真っ先に自身がキャッチアップするべきポイントはどこでしょうか?
例3)職務内容にあるこの業務は、実際どの程度の頻度ですか?また、職務上どれほど重要視されるでしょうか?

(2)実際に働くイメージを掴むための質問

組織運営における課題抽出、設定、解決に向けたコミュニケーション、意思決定プロセス、上司や同僚とのレポートライン、コミュニケーション頻度、その手法、カルチャーに関わる内容なども効果的です。

(3)成果を出したいという印象を強める質問

どんな会社でも求めているのは利益を上げられる人です。「利益をより上げるためにどんな人が成果を出すか?」など成果を出す人の特徴や成果を出すために必要なことを貪欲に知ろうとする姿は好印象となるはずです。

おわりに

SaaS企業に特化した面接対策を解説しました。今回は面接へのスタンスや伝え方のポイントがメインとなっていますが、面接では職務経歴書や履歴書も重要となります。履歴書や企業毎の面接対策などでお悩みの方は、ぜひ、マーキャリNEXT CAREERへご相談ください。また、「As is/To be」について詳しく知りたい方、テンプレートをダウンロードされたい方は、ぜひ下記の記事をご覧ください。


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執筆者

マーキャリ NEXT CAREER

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