面接で差がつく職務経歴書の書き方

面接で差がつく職務経歴書の書き方

目次

転職の際に準備する必要がある職務経歴書。これまでの自身のキャリアをまとめるものなので、人それぞれ書き方があります。しかし、相手企業に提出する書類であるため、採用を勝ち取るためにはポイントをおさえることが重要。ここでは職務経歴書の性質や書き方について詳しく解説します。

1. 職務経歴書の役割

職務経歴書は、履歴書とともに書類選考時に企業に提出します。そのため職務経歴書は書類選考を通過するために作成するものというイメージがあるかもしれません。しかし、職務経歴書は書類選考だけでなく、転職活動全般において非常に重要な書類なのです。

書類選考を通過すると次は面接です。しかし、書類選考をパスしていても、職務経歴書に触れられない面接というものは基本的にはありません。面接官は職務経歴書を見て質問事項や、話をする内容を決めているからです。

2. 職務経歴書にアピールしたいことを盛り込もう

書類選考をパスすると、多くの人は自分の言葉で伝える自己PRの作成に時間をかけます。もちろん自己PRは大事なのですが、職務経歴書をもとに質問がされるという性質を考えると、必ず読まれる職務経歴書にアピールしたい内容や面接で話したい内容を上手く盛り込んでおくことの方が、効果が高いです

3. 職務経歴書作成のポイント

職務経歴書の基本は「このような経験があるので、貴社に貢献できます」とアピールすることです。いくら実績やスキルがあっても、相手に伝わるように書かなければ意味がないわけです。

ここからは具体的にどのようなポイントをおさえて職務経歴書を作ればよいかを解説していきます。

3-1. 数字をまじえて伝わりやすくする

よほど大手の企業から転職するのでない限り、志望先の企業の面接官が、今あなたが所属している会社について知識を持っていることはありません。つまりあなたにとっては当たり前のことであっても、面接官にとっては初耳であるという可能性も十分考慮する必要があります。

相手に自分の実績を伝える際に有効なのが数字を用いること。年間〇千万円分の売上に貢献したとか、〇人の新規顧客を獲得したというように数字をまじえると理解してもらいやすくなります。ただ、数字を用いる際は、漠然としたものではなくしっかりと細部まで伝えることを意識してください。例えば、あなたが会社で一番の営業成績だとアピールしたいときに、5人の中の1位なのか、100人の中の1位なのかではアピール度合いがまったく異なりますよね。

さらに具体的に言うと、下図のようにあなたが残してきた実績、成果に対して、あなたと初めて会う相手が客観的に評価をできるように情報を整理して記載するようにしましょう。

                  

株式会社◯◯◯◯◯ 営業部

勤務期間:2018年4月〜現在

事業内容:情報通信機器・ソフトウェアの販売
資本金:◯億円
売上高:△億円
従業員数:◯◯名
雇用形態:正社員

【役職】リーダー(評価対象として直属部下が3-5名)

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【所属歴】
2018年4月 新卒として入社。営業部所属
2020年4月 第一営業部 部長(チームリーダー)

【業務内容】
・新規顧客開拓(電話でのアポイント獲得、商談〜クロージング)
・既存顧客へのアップセル/クロスセル提案
・アフターフォロー

【取り扱い商材】
勤怠管理ソフト、OA機器全般

【担当顧客概要】
・新規顧客開拓50%・既存顧客50%(中小企業◯◯社を担当)
・主な商談相手:総務部、情報システム部

【営業実績】
2018年度:4,200万円(達成率112%)年間目標達成
2019年度:4,540万円(達成率96%)
2020年度:3,960万円(達成率88%)

※月間表彰5回獲得 年間MVP受賞


【アピールポイント】

2020年度は、個人として全社売上予算のうち25%の3,960万円を担当。チーム実績は1億6千万(粗利率32%)でチーム全体がクオーターMVPを受賞。コロナ禍で目標未達が濃厚だった中、期初からの既存顧客の棚卸しを実施。失注要因の分析からこれまでの営業活動を根本から見直して、新規顧客開拓へ活動シナリオの落とし込みを行った。

結果的に、自身の目標達成が見えてきたため、チームメンバーに対して再現性のある形でシナリオのアウトプットを行い、組織全体の目標達成を貢献した。


このように数字を用いながら「客観的に評価できる指標」に落とし込んでいくことが大事です。

3-2. なぜ成果が出せたのかも記載する

きちんとした実績があっても、それだけをアピールするのは非常にもったいないです。例えば、業界や業種が異なるところへの転職を希望している際に、面接官側は「自社でも同じように成果があげられるか」を気にしています。あなたの実績が、その業界業種だから出せたものと思われてしまっては、せっかくの実績も十分なアピールポイントになりません。

どのような過程でどのような取り組みをして成果を出せたのか、そこまで記載することで初めて再現性の高い実績となるわけです。志望している企業においてもそのまま応用できるような、再現性の高い実績ならば、実績に大きな説得力が加えられます。

3-3. 実績アピールが難しければ自分なりに工夫したことを書こう

営業成績NO.1というような分かりやすい実績を誰もが持っているわけではありません。むしろ大きくアピールできるほどの実績がない場合の方が多いです。そのようなときに「アピールできるほどのことが何もない」と考えてしまうのは少し早いです。

仕事をしていく上では常に状況を把握し、施策を考えて実行をしてきたはずです。

どんな状況のときに、どんな課題があり、どんな施策・対策をうち、どのように乗り越えたか」を職務経歴書に盛り込めば立派なアピール材料となります。

自分がどのように考えて行動してきたか。これはあなただけの実績とも呼べるもの。仮に営業成績としては目立ったものがなかったとしても、あなたの考え方や行動が相手企業から評価される可能性は大いにあります。実際に自己PRを作っていく際は次の「自己PR整理シート」をご活用ください


「自己PR整理シート」のダウンロードはこちら

3-4. 志望動機と職務経歴書にのせる自己アピールを混同しない

志望動機と自己PRは混同されやすいものですが、きちんと分けて考えるべきです。例えば志望動機を聞かれる質問「弊社を志望した理由はなんですか?」と、自己PRを求められる「あなたが弊社に貢献できることはなんですか?」という質問に対して同じ回答というのはおかしいことが分かるでしょう。面接時の状況によっては志望動機と自己PRをまとめて述べる場合もあるでしょうが、志望動機と自己PRは分けて考えておくことが重要です。

志望動機とはその会社を志望する動機(=きっかけ)は何かということです。つまりどんなことがきっかけでその会社に入りたいと思ったのか、会社のどんな点に惹かれて応募したのかについて述べるのが志望動機です。

3-5. 志望動機が弱いのは大きなマイナス

志望動機についてもう少し詳しく言うならば「その会社でないとダメな理由」となります。たくさんの同業他社があるなかで、その会社を選んだ理由を述べるのが志望動機です。つまり、同業他社を志望する際にも言えるようなことは志望動機としては印象が弱くなります。

志望動機を作成する際は、業界や業種に惹かれた理由だけでは不十分となるので、必ずその会社に惹かれた理由まで盛り込むようにしましょう。業界に興味を持った理由、業種に惹かれた理由、数ある企業のなかでもその会社を選んだ理由というように、大きなカテゴリーから小さなカテゴリーについて考えていくことで、抜けのない独自性のある志望動機となるでしょう。

職務経歴書は自身の仕事への取組み方や実績をアピールするもの、志望動機はその会社へ入りたい熱意をアピールするものです。混同して同じような文章にならないように注意してください。

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自己PRの書き方
河村 芳行

執筆者 (MMSKawamura)

河村 芳行

株式会社エムエム総研

2008年に法人マーケティングのパイオニア企業である株式会社エムエム総研に入社。インサイドセールスからデジタル領域まで多岐にわたり、マーケティング活動全般のプランニングを担当。外資系、国内大手IT企業に対して多くのプランニング実績を積む一方、ITproマーケティングなどセミナーにて登壇者としても講演。さらに2017年にはビジネス書籍『少人数チームからはじめる失敗しないBtoBマーケティングの組織としくみ』を同社経営陣と共に出版。BtoBの組織作りと仕組みを解説した同書は多くのマーケターに支持されている。

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