30代総合営業職の方向け 転職アドバイス

30代総合営業職の方向け 転職アドバイス

目次

入社したてで右も左も分からない状態だった新人時代を経て、営業経験を積んで自分なりに将来像を描いていく中で真剣に転職を考えることが多くなる年代は>30代でしょう。また30代は結婚や育児、マイホーム購入などライフイベントが大きく変化するタイミングでもあり、20代とは違ってより計画的な人生設計が必要です。

ここでは30代の営業職が考えるべき、転職のタイミングや今後求められる営業職の専門性について解説しています。今転職を検討していなくても、一度は真剣に考えてみることが重要ですので、ぜひ参考にしてください。

1. 現代の30代が抱えるキャリアアップの悩み

2021年現在、働き方の多様化が進んでいますが、30代の会社員の新卒入社時はまだ年功序列や終身雇用のトレンドが根強い時代でした。そのため「定年までその会社で勤めあげる」という意識の方が多いです。昔ながらの働き方の延長線にありながら、PCやスマートフォン、ITが急速に普及し、世代としては変化も体験してきている特徴があります。

1-1. 30代の現状

時代変化の影響もあり、30代は意外とキャリアアップに悩みやすい世代です。営業職がキャリアアップを考えたとき、その会社で管理職を目指して出世するという選択肢が色濃い一方で、40代・50代が現役バリバリなのでそもそもポストが空かないことが多いです。さらには年収も想像した通りの上昇カーブが描けず、なんとなく先が見えてしまい「このままでいいのだろうか」と悩む方も多いはず。

一見30代という年齢ゆえのよくある板挟みのように思われますが、実際はそうではありません。従来であれば、わずかな管理職の席を狙って実績を積んでアピールをするのがキャリアアップの王道パターンでした。しかし、現在は働き方が多様化してきたのと同時に、会社のあり方も多様化してきています。つまり、今の会社で上を目指す以外の選択肢が増えてきているわけです。そのため、まだ転職を狙える30代だからこそ悩んでしまうという現実があります。

2. 30代の転職はなるべく早くするのがポイント

30代が転職をするベストなタイミングは「なるべく早く」です。その理由としては30歳を過ぎると、企業としては若手ではなく中堅扱いになるからです。つまり、年齢が上がれば上がるほど、求められるスキルが高くなるわけです。もちろん企業選びは慎重に行うべきですが、転職活動を始めるのは少しでも早い方がよいでしょう。年齢を重ねるにしたがって、プレイヤーとしての実績よりもマネジメントの経験が重視されるようになります。既に管理職に就いていてマネジメントの経験があるのなら焦る必要はありませんが、プレイヤーとして活躍したいということなら転職のタイミングは早ければ早いほどよいことになります。

2-1. 30代前半の転職

30代の前半であっても、企業としては中堅になります。そのため営業職としてバリバリ働いていることだけでは、アピール材料として弱くなる場合があります。転職を行うのならなるべく早いタイミングで検討を始めましょう。

2-2. 30代後半の転職

30代後半であっても、基本的に「転職をするならなるべく早く」というポイントは変わりません。しかし、確実にプレイヤーとしての転職難易度は30代前半よりも高くなってきます。年齢が上がると企業側もそれなりに高い年収を提示する必要があるので、それに見合うだけのスキルがあるかが厳しく見られるからです。

ここまでは、営業職の転職タイミングについて解説しましたが、以降は営業職にも今後求められてくる専門性についてお伝えします。

3. ジョブ型雇用と専門性

日本経済団体連合会(経団連)の中西会長が日本型の雇用(新卒一括採用・年功序列・終身雇用など)を見直すべきという発言をして以来、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への変化が話題に上ることが多くなってきました。

従来より日本で取り入れらてきたメンバーシップ型雇用は、専門職ではなく総合職として人物重視で採用を行い、異動や配置転換を行いキャリアをアップさせる仕組みです。人によってはメンバーシップ型雇用では、専門的なスキルを高めることができず、今在籍している会社でしか活躍できないといったリスクがあります。一方で、業務内容を明確にしてスペシャリストを雇用するのがジョブ型雇用です。企業の競争力を高めるためには導入が必要だと叫ばれていて、今後スタンダードになっていくでしょう。

3-1. 営業職も専門職に変わってきている

総合職にくくられることも多い営業職ですが、業界によってはより専門性が求められるようになってきています。SaaS/IT業界のベンチャー、中でもサブスクリプション型のビジネスを展開する企業では、営業の業務をマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの4つの専門分野に分ける動きが進んでいます。いわゆる「営業の分業化」や「営業の分業組織」と呼ばれるものですが、ここでは。ひとりの人間が営業活動全般を担うのではなく4つの職種に分けて業務効率と売上の最大化を図るものになります。




マーケティングに関しては営業とは別のスキルや経験が必要になりますが、その他3つの職種に関しては、これまでの営業経験を活かしやすいです。また、分業化を取り入れている企業はスタートアップであることが多いため、働くメンバーには専門的なスキルとともに主体性が求められます。

4. これからの時代に対応するために

富士キメラ総研のレポートによると、SaaS市場は毎年成長を続け2024年には約1兆1,200億円へと拡大する見通しです。今後ますますサブスクリプション型のビジネスモデルが主流になる中で、分業組織での経験・ノウハウは、将来5、10年先にも生きてくるでしょう。

また、未来の採用市場においては、従来型の営業職と、次世代の営業職とで二極化し、転職における採用可否のフィルターとなる可能性もあります。

今転職する予定がない方も、検討している方も、ぜひビジネスモデルと市場成長性から仕事を選び、成長機会を得るという視点で転職を検討してみてください。



河村 芳行

執筆者 (MMSKawamura)

河村 芳行

株式会社エムエム総研

2008年に法人マーケティングのパイオニア企業である株式会社エムエム総研に入社。インサイドセールスからデジタル領域まで多岐にわたり、マーケティング活動全般のプランニングを担当。外資系、国内大手IT企業に対して多くのプランニング実績を積む一方、ITproマーケティングなどセミナーにて登壇者としても講演。さらに2017年にはビジネス書籍『少人数チームからはじめる失敗しないBtoBマーケティングの組織としくみ』を同社経営陣と共に出版。BtoBの組織作りと仕組みを解説した同書は多くのマーケターに支持されている。

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